ー すごい!!!

エキストラ募集をしたところ、当日は大勢の方が集まってくださり、みんなで風船に想いを書きました。本当にドキュメンタリータッチでもあるし、僕がどうしたらいいかと諦めそうになっていた日々の部分と、今こうやってみんなと音楽を共有出来ている喜びの部分がMVには詰まっています。今まで僕のMVというのは、内側にあるエネルギーを表現することが多かったんですが。


ー 燃えたり？（『ランナーズ愛』MV）

そうそう（笑）。一点に入っていくエネルギー表現が多かったですが、今回は広い世界観の作品になりました。カットも色々なところで撮りましたし。


ー サウンド同様、開放的な仕上がりですね。

そうです! 特にエンドへ向かうにしたがって、より開放感を感じてもらえると思います。僕にとっては音楽が夢でしたが、みんなの夢は仕事かもしれないし家族のことかもしれない。そういう「夢」に寄り添った作品なので、どんな夢でも受け入れられるようなMVになった気がします。


ー 再び楽曲の話に戻りますが、c/wの“Sunshine”は、久しぶりの英詞ですね。

すごく久しぶり!


ー 初期の“I sing a song”（『世界は今日も僕らをのせてまわる』収録）や“Sunday Morning”（『Fly away』収録）以来じゃないですか。

そうです。というかよく聴いていますよね（笑）


ー 当たり前じゃないですか!（笑）

この曲は “Sunshine”というタイトル通り、太陽の光が降り注ぐということですが、自分にとって大切な人。恋人だったり一生を共にしたいと思える人というのは、いつでも自分の人生を照らしてくれる太陽のような存在で、そういう人がいるからこそ自分の目に映るものがカラフルになる。君は僕の太陽だしずっとそうあって欲しい。 だから僕はずっと傍にいたいしどんなことがあっても守り抜きたいと思っているという想いを歌った曲です。すごくシンプルで、使っている英語も中学生レベルのものだけど、メロディと歌詞がうまく作れたと思える曲です。


ー 今回久しぶりに英詞にした理由は何ですか？

ずっと英詞を作りたいと思っていたんです。でもリリックの部分での難しさもあってなかなか完成には至りませんでしたが、今回やっと出来ました。それとサビの「forever I’m going to」という響きがすごくしっくりハマッたと思います。


ー 日本語詞だと言葉そのものの生々しさが表に出過ぎてしまう場合もありますよね。

そうなんです。英詞だとバックのサウンドにスーッと染まっていきやすいので今回の英詞はそういう部分もうまく馴染ませることが出来ました。


ー しかもRakeさんの発音は程よいネイティブ感があるので聴いていても心地良いです。

特に今回、発音もすごく大切に歌いました。僕が意識しているのは日本人も聞き取れる英詞であるべきだということ。あまりにもネイティブに寄せすぎて理解できないというよりは、歌詞の意味までは分からないにせよ、単語レベルで聞き取れるギリギリの発音を意識して歌っています。


ー そこが英詞の難しい部分ですよね。確かにネイティブすぎても入ってこなかったり、露骨に日本語発音の英語でも引く部分はあるし。

そうそう！その部分は本当に難しい。そうはいっても僕は日本人ですし英語は母国語ではない。学生時代から英語を勉強するようになり、その中で辿り着きたい英語表現を大切にしています。


ー サウンドからは夕暮れのハワイの海が浮かんできました。

佐橋さんがスティールギターを弾いてくれたのでそれがすごく大きいと思います。心地よいですよね。あの音は。


ー そうなんです!良い響きですよね。もう1曲、c/wにBackstreet Boysの“I Want It That Way”をカヴァーされていますが、今回は何故この曲を選んだんですか？

まずは誰もが知っている曲をやりたいと思ったんです。それと僕は仙台のラジオ局Date FMで「Rake -I sing a song -」（「FLICK MOTION」内／Tue16:38〜ON AIR）というコーナーを持っていてその冒頭でカヴァー曲を歌うんですが、それが120〜130曲位になったんです。


ー そんなに!

はい。いくつか候補はありましたが佐橋さんと相談してその中から決めました。


ー 例えば他にはどんな候補曲がありましたか？

Marvin Gayeの“What's going on”やAlanis Morissetteの“Ironic”。その他もいくつか候補はあったんですが、その中でも特にみんなの耳馴染があって日本でもヒットした曲ということでBackstreet Boysの“I Want It That Way”に決定しました。


ー 原曲はメロディアスなサウンドにビートをつけたトラックですよね。

そうです。それにコーラスグループなのでサビの部分は掛け合いになっているじゃないですか。でも今回は僕がアコギを弾いて、隣で佐橋さんにはミディアムスケールのギターでアルペジオを弾いてもらいました。それと誰かにコーラスをしてもらうのではなく全部自分で歌っています。


ー そういうアレンジにした理由は？

“夢を抱いて〜はじまりのクリスロード〜”と “Sunshine”がバンドサウンドなので、最後の1曲はシンガーソングライターとしての空気感をより届けたいと思ったんです。僕がすごく嬉しかったのは、佐橋さんが僕のことをシンガーRakeとしてもギターリストRakeとしてもすごくフラットに見てくれていて、例えば “Sunshine”のギターソロも佐橋さんから「Rake弾きなよ。」と言ってくれたんです。佐橋さんは超一流のギターリストじゃないですか。


ー ええ。

だから佐橋さんが関わっている場合は殆ど彼がギターを弾くんですが、今回はギターリストRakeの部分をすごく見てくれて「折角だからギターリスト同士、何かやろうよ。」とも言ってくださり恐れ多かったです。そこには佐橋さんの人柄もあって、僕からしたら大先輩だから最初は緊張しましたが、どんどん解放させてくれるというか。「いいんだよ、気なんて遣わなくて。せーので音を出す時は、ひとりのミュージシャンとしてガチでやろうぜ!」ということを笑顔で伝えてくれるんです。だから音を出す時は全然緊張することもありませんでしたし、そこが佐橋さんの魅力だと感じました。実はこの曲、ワンテイクしか録っていないんです。


ー ということは、ワンテイク目でこのクオリティー?!

そう（笑）。「あれ？これすごく良いんじゃない？」って。それでそのまま作品になりました。


ー カウントをはじめ、空気の音も全部入っていますよね。

はい、入っています！だから本当にライヴテイクという感じです。