ー 以前の取材でカヴァーに対して「結構タフな事だし、敬意をはらってやるべきだと思っているから、その勇気がなかった。」と、番組でカヴァーをする以前のカヴァーへ対する想いを語っていただきましたが、昨年は先ほどお話にもあったラジオのレギュラーコーナーから派生したカバーアルバム『I sing a song～for Christmas～』もリリースされましたよね。

はい。カヴァーをやる時は原曲に向き合って取り組むという気持ちは今も変わりませんし、大きな責任を伴うチャレンジだとも思っています。でもそれと同時にこうやってミュージシャンを続けてきた中で、みんな音楽を楽しみたいんだということを感じたんです。ライヴでもみんな素晴らしい笑顔を見せてくれますし楽しんでくれている。だから名曲をカヴァーするということを楽しむということも大切だと考えるようになったんです。決して萎縮するのではなく、名曲をカヴァーできることを自分自身が楽しむ! そう思えたことは自分の中の変化だと思います。だから今回も「コーラスワークの掛け合い、どうやろう。よし、自分ひとりでやってみよう。でもこの曲をギター2本でやるなんて実際出来るのかな。まぁでもやってみよう!」って、全てが楽しみだったんです。勿論そこにはしっかりした音楽的構造は必要ですけど、その上ですごく楽しめました。


ー そういう意味ではラジオでのカヴァーというのはミュージシャンRakeとして、この上ない肥になっていますね。

間違いなくそう思います。そのコーナーの中で「1ミュージシャンの曲は1曲しかやらない」という縛りを自分達で勝手に作っていて（笑）。


ー それ、相当大変じゃないですか?!

相当大変!!!（笑）だから120曲だとしたら120アーティストやったことになる。でもそれが楽しくなってきちゃって。だから自分が今まで一回も聴いたことないし、このジャンルは通ってなかったという曲もスタッフに紹介してもらってやるんです。


ー 今までで一番難しかった曲は？

Sweetboxの“Everything's Gonna Be Alright”!あの曲はラップも入っているしビートものだし。あれをアコギでやるって（笑）。しかもオリジナルは女性も男性も歌うからキーもバラバラだし。でもそういう経験も経て、オリジナル楽曲へのリスペクトも持ちつつ楽しめるようになりました。あと意外性という意味ではSugar RayやLady Gagaにも挑戦しましたし、本当に新旧問わずやっています。それに自分の知らないミュージシャンの曲をやるときは一応調べるんです。デビュー時期や音楽的バックグラウンド、歌詞、プロデューサーなど。だからそういう意味で勉強にもなるし。


ー そこで新たに発見できることがあるのは楽しいですよね。

楽しい!! 今は便利なインターネットというものがあるし（笑）。


ー そうそう（笑）。

だってこういう機会でもないかぎり、特に自分が知らないミュージシャンについて調べることは殆どないじゃないですか。


ー 確かに。

だからそういうことも楽しいんです。勿論その分、大変ですけど（笑）。スタッフは僕を気遣って、この企画は毎回ではなく不定期にしようかという提案もしれくれるんですが、一回やめて不定期にしてしまうと、出来なくなってきちゃう気がするんです。だから体力と気力が続く限りはやらして欲しい!って言っています。


ー 日本の曲は？

最初の頃はスピッツさんやCrystal Kayさんの曲もカヴァーさせてもらっていたんですが、今は洋楽ですね。


ー 日本のフォークとかもやって欲しいな。

あー、それは本当に全く通ってないジャンルだ！


ー 例えば、はっぴいえんどや岡林信康さん。

はっぴいえんどは歌えそうかな。じゃあ200回目位からそういう幅を広げていきますか（笑）。


ー 是非!そして、とうとう待望の全国ツアーが9月からスタート!9月はバンドスタイルの＜Rake TOUR2013 Free Bird＞で、10月はRakeさんだけの弾き語り＜Rake TOUR2013 Free Bird　～ONE to ONE～＞なんですね。

はい!僕は元々バンドマンなので、アルバムを表現する上でも再現する上でもバンドスタイルでのライヴというのが自分自身大好きで、それは絶対にやりたかったんです。ただインストアライヴなどでもそうですが、弾き語りスタイルでのライヴが見てみたいという要望も本当に沢山いただくんです。それなら今年は両方やってしまおうじゃないか！ということで、今回はギターリストとしてのRakeとシンガーとしてのRakeをより楽しんでもらえるのではないかと思っています。多分先々もこの2本柱は変わることないし僕にとってはこういうライヴはとても自然なことです。


ー 最後にmFound読者のみなさんに一言お願いします。

皆さんそれぞれ夢や目標があると思うし、そういうことに向かっている時は毎日エネルギーに溢れていると思います。勿論「もう無理なんじゃないか。」と諦めそうになる瞬間も沢山あると思いますが、そういう時こそ自分を信じることを前面に出して、まずは今日を乗り切ってみる。その感覚で一緒に夢に向かって歩いていきたいですし、その想いを共有する為にも是非ツアーに来ていただけたらと思います。


ー ありがとうございました。ツアー頑張って下さい!


取材・TEXT／秋山昌未


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