ー MVも完成しましたが、撮影はいかがでしたか?
ビニールテープが邪魔でした(笑)。“アンダーソン”、“Lie to myself”が少し暗いトーンなのに対して “Cry Cry Cry”は、白を基調とした明るいトーンに仕上げたんですが、これはお腹の中の羊水に光が差し込んでいるイメージなんです。
ー 羊水!
はい。でも、ビニールテープがとても邪魔で(笑)。身体に巻き付いてくるんですが、楽曲は振り向かないで突き抜ける感じじゃないですか。
ー ええ。
だから「邪魔だな。」と思って、そこで体がストップしてしまうのは勿体ないから、邪魔でもそれを振り切って続けました。でもみんなでそうしようって話し合いをしたわけではないのに、仕上がりを観たらみんなもそうしていたので、4人ともこの曲への認識が同じなんだと思いました。
ー ライヴでのアグレッシブ感がそのまま出ていましたよね。特に吉牟田くんとか。
そうですね(笑)。
ー あと、飯野さんが顔をあげてカメラ目線になるところは、可愛すぎて女ながらにキュンとしちゃいました(笑)。
「こんなの初めて」というところですよね!
ー そうそう!
それは僕が狙って「ここ、飯野のカットでお願いします。」って、監督さんにお願いしました。
ー そうだったんだ!それと、楽曲の話からは外れますが、現在メンバーで共同生活なんですね。
そうです。 晩ご飯を一緒に食べることは多いですが、 最近は忙しかったので帰ってきたらみんな寝るだけという感じの生活が続いていました。でも思ったほど大変ではないです。勿論共同生活のデメリットとして、プライベートの時間や空間が減るというストレスもありますが、バンドってある意味ひとつの家族みたいなものだから、普段から一緒に生活をすることで互いの音を意識し易くなるのかなと。特に僕たちは音を内向きに作ることをとても意識してるんです。お互いの音を聴いて、そこで出来た内向きの音をステージでお客さんが観る。それぞれの音を認識し合いながらライヴに臨もうという気持ちは最近、より強くなっています。共同生活の中でプライベートな時間もずっとメンバーと一緒にいると、お互いの肌の距離感も近いので、それがライヴの音の距離感にも反映されるのかなと思っています。自分の体にメンバーの音が入ってくるのに繋がるのかなと。
ー 確かにライヴでの呼吸がぴったりだと感じました。特にフロントの村上くんと吉牟田くんのパフォーマンスでの押し引きが絶妙だなと。
え、本当ですか?
ー ええ。吉牟田くんが暴れ回っているというか(笑)、アグレッシブにしている時は村上くんはクールなアプローチをしているし、逆に村上くんが前面に出てオーディエンスを煽っている時は、吉牟田くんが少し後ろでプレイに徹している。
吉牟田がそうしているって、今言われて初めて知りました。ずっと暴れ回っているのかなって(笑)。
ー いやいや、その絶妙な感じも含めかなりライヴセンスを感じました。
ありがとうございます!
ー ちなみに共同生活での決めごとは何かあるの?
決めごとはないんですが、おのずとゴミ出しは實吉がやったり、ご飯づくりは僕か飯野が作ったり。何か自然と担当が決まっていますね(笑)。
ー 料理やるんだ。
作るのは好きですね。まぁ男なので炒め物が多いですけど、最近作ってメンバーに喜んでもらったのは、ハンバーグです。…って、こんなこと、取材で喋ったの初めてだ(笑)。
ー じゃあ今度、Ustreamの「テスラハウスヘようこそ。」で是非披露してよ(笑)。
それはファンの人にも言われたことありました(笑)。
ー 楽曲の話に戻りますが、先程も話に出た通り今回、クラムボンのミトさんが全曲プロデュースで、インディーズ盤ですでに収録されている5曲もリアレンジして再録。
そうです。
ー 特にアレンジ面で大きく変えた曲は何ですか?
“my world is not yours”です。この曲はキーを1段階あげています。
ー それは何故?
“my world is not yours”という言葉のわりに、自分の声のキーが低いので、焦燥感があまりないというか、言葉に説得力や緊迫感がない気がしてきたんです。この曲を発表した頃は、自分の出せるキーの限界もありましたが、今はもっと高い声も出るようになったので、キーを上げることで声も張り付いて「 my world is not yours(僕の世界はお前のものではない)」という言葉に説得力が出るんじゃないかということで、実際試してみたところ、思った通りになりました。
ー 逆に、原曲に近いのは?
“パルモア”です。各々のフレージングは若干変わってますが、ミトさんとも相談して、曲の構成自体はこのままが良いだろうという話になり、殆ど変えていないです。
ー 楽曲で以外だったのは、“Arc”でした。疾走感や、破壊力の強い曲=テスラは泣かない。だと思っていたので、ああいうミディアムテンポで憂いのある、静かな曲もあるんだなと。
そうなんです。この曲もインディーズ時代に発表した曲ですが、今回かなりアレンジをしました。アレンジというか、それまでなかったものを後半で付け足しています。実はこの曲をインディーズ盤で出した後のライヴで演奏していた時に、僕が後半を伸ばしたくなったんです。だからそのことをメンバーに伝えた上で変更して、ライヴではがっつり変えた形でやっていました。でも作品としても、変更した形のものは残したかったので、今回のタイミングで収録しました。後半を加えたことによって、楽曲がとてもドラマチックになったと思います。
メジャー1stアルバム
『TESLA doesn’t know how to cry.』
2014年6月25日発売
サウンド・プロデュースはミト氏(クラムボン)
内容
01.Cry Cry Cry
02.Lie to myself(4/23リリースデビューSg.)
03.my world is not yours
04.fuga
05.めんどくせえ
06.Arc
07.cold girl lost fiction
08.パルモア
09.シャドウ
10.Someday
初回限定盤CD+DVD,紙ジャケット仕様
TYCT-69018 / \3,500+税
TESLA doesn't know how to cry. release tour
7/10(木)愛知・池下CLUB UPSET
7/11(金)大阪・心斎橋Live House Pangea
7/18(金)東京・渋谷WWW