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テスラは泣かない。『TESLA doesn't know how to cry.』インタビュー


ー 村上くんより上の世代の人は、バービーボーイズを連想させるのかなと。

それ、すごく言われます!ルーツ的に通ってきたわけでもないし、意識もしていませんが本当に言われることが多いです。「あぁ、そうなんだ。」って(笑)。


ー 歌詞の発想で言えば、“シャドウ”も興味深いです。この中のシャドウ…つまり影は自分の中のもう一人の自分ということ?

いえ、憂鬱です。憂鬱の波というか、底抜けに明るくなれない何か。「こんなに眩しいのに何か背中でずっと憂鬱の影がくっついてきているのは何でだろう?でも、結局はそいつと一緒にやっていくよ。」という、躁状態であったり鬱状態であったり。日が昇っている間は、そいつがずっとつきまとっているし、暗くなってやっと居なくなったと思えば、また居たり。自分ではコントロール出来ない自分の影というものを歌詞にしました。


ー だから「そうそう」と歌っている部分が、一部「そう躁」になっているんだ。

はい。それがひとつのヒントです。


ー 村上くん自身、こういう影を感じることは多い?

昔ほどではないけれど、僕は割とあります。昔は憂鬱の波が押し寄せてきたら、それを抑えよう抑えようとしていましたが、今はわりと諦めて(笑)、憂鬱の波が来たらそれに乗っちゃうというか、その波に体を浮かせてしまえばいいんじゃないかという考え方になってきています。


ー 冒頭、ヴォーカルから始まる“Someday”の、テープを早回しにした音はやはり耳がいきますね。こういう発想はどこから来るものですか?

この曲は僕らにしてはイントロが長いんです。他の曲だと、大体8小節くらいでAメロに入るんですが、この曲は16小節くらいあるんです。でもその位イントロがないとストーリー性が生まれない。ただ、長いだけだと飽きてしまう人もいるのではないかという意見もあったので、もうひとつ情報を入れてあげることで飽きることなく聴いてもらえるのではないかと考えました。ただそれはメロディでも言葉でもない。何かないだろうと考えた時に、テープの巻き戻しを入れるアイデアが出てきて。それで実際やってみたら、「これから何が起きるんだろう?」というシリアス感にも繋がったので、良い仕上がりになったと思います。


ー あの部分は自分たちで何かを話しているの?

あれは、吉牟田が書いたコラムを僕が喋って、それを逆回しにしています。


ー そうだったんだ!吉牟田くんのコラムはとても文学的だし、ライター顔負けの文章力を持っているよね。

そうですね(笑)。


ー 7月から東名阪のリリースツアーがありますが、どういうライヴにしたいですか?

今回は東名阪の3カ所ですが、本当にひとりでも多くの人に足を運んで欲しいし、近い距離で同じ空気の中で音楽を鳴らせたら良いなと思っています。ただ、この感覚はメジャーデビューしたからとか、アルバムをリリースしたからとかは関係なくて、インディーズの頃から思っていたことではあるんです。ライヴ会場の規模が大きいとか小さいとか関係なく、少しでも多くの人と同じ空間で…というのはずっと一緒です。


ー 村上くんはプレイヤーとしてではなく、自分がオーディエンスとなった時に、どういうライヴが一番感動しますか?

ライヴ…ではなかったんですが、いいですか?


ー はい。

先日下北沢に佐藤二朗さんのお芝居を観に行ったんです。友達からチケットを貰って。芝居を観るなんて初めてだったんですが、役者さんって、お客さんがいっぱいいるのに、あたかも目の前のお客さんに気がついていないように、内側でずっとお芝居をして、それをお客さんが観て感動するじゃないですか。


ー ええ。

お客さんが10人だろうが100人だろうが、それには左右されずに内側で世界を作る。それを観た時に、テスラは泣かない。のライヴもこうでありたいと思ったんです。僕ら4人の中で作った世界観をお客さんと共有する。だから僕が感動するのは内側で出来上がった寸分狂わない音を観てしまった事件性のようなものには鳥肌が立ちますし、そういうライヴを自分たちもやりたいです。


ー 最後にmFound読者のみなさんに一言お願いします。

こうやって取材で僕が話した、歌詞についての想いや意味を観て「あぁ、そういう曲なんだ。」と感じてくれるのは非常に嬉しいです。ただ僕らの音楽は、聴く人の捉え方次第で、いかように解釈してくれても構いません。僕が「こういう音楽です。」と言っても、「この曲は違う。こういうことを言っているんだ。」と思ってくれても構わないので、好きなように解釈して下さい。辛い時に聴くのと、楽しい時に聴くのでも違いは出ると思うので、本当に自由に「テスラは泣かない。」の音楽を楽しんでもらえればと思います。


ー ありがとうございました。ツアーも楽しみにしています!


取材・文/秋山昌未


■ オフィシャルサイト
http://tesla.raindrop.jp/


 

リリース情報

メジャー1stアルバム
『TESLA doesn’t know how to cry.』

2014年6月25日発売


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サウンド・プロデュースはミト氏(クラムボン)

内容
01.Cry Cry Cry
02.Lie to myself(4/23リリースデビューSg.)
03.my world is not yours
04.fuga
05.めんどくせえ
06.Arc
07.cold girl lost fiction
08.パルモア
09.シャドウ
10.Someday

初回限定盤CD+DVD,紙ジャケット仕様
TYCT-69018 / \3,500+税

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通常盤
TYCT-60036 / \2,759+税

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LIVE情報

TESLA doesn't know how to cry. release tour

7/10(木)愛知・池下CLUB UPSET
7/11(金)大阪・心斎橋Live House Pangea
7/18(金)東京・渋谷WWW

 

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