twitter twitter
ドレスコーズ『the dresscodes』インタビュー Page4

ー 今回はライブアルバムのような臨場感で一聴するとシンプルだけど、聴き込んでいけばいくほど、細かい部分へのこだわりやアイデアが詰まっている気がしました。

志磨:僕がこういうのも何ですが、音楽やってる人は頭が良いと思います。日常での3分ってタバコ吸ってたら終わるじゃないですか。でも僕らが体感する3分ってむちゃくちゃ長くて、1秒2秒の間でも様々な音を聴き分けて演奏する。そして誰かがそれに反応する繰り返しだから、例えばライブとかでそういう積み重ねを全部並べてもトータル50分とかいうと嘘!って思いますもん。あんなに色々なことを考えてやっているのに、実際は50分しか経ってないの?って。でもそういう細かいことが沢山積み重なって音楽って作られているんです。


ー それはまさにこのアルバムでも感じます。例えば、楽曲そのもののポップだけど淡々としたメロの“ストレンジピクチャー”が終わったと同時にイントロレスの “SUPER ENFANT TERRIBLE” で一気に盛り上げるという手法も、すごく惹かれました。

志磨:そこに、マジで4時間位かけましたからね!


ー おー!でも本当にこの部分はいいです。

志磨:良かったー!終電逃した甲斐があった(笑)。


ー それに “SUPER ENFANT TERRIBLE”は歌詞もかなり気になりました。「止まると僕死ぬから」っていう部分。

山中:お、来たね!


ー この一説は毛皮のマリーズの“ジャーニー”の歌詞ですよね。

志磨:そうそう(笑)。


ー 何故この歌詞を?

志磨:止まると死ぬなって思って(笑)。何か、そんなことばかりやってるなと感じたんです。“ジャーニー”は自分自身すごく好きな曲だし、止まると死ぬっていうことは、結局やり続けるということだから、僕は音楽(同じこと)しかできないんだという決意表明。決意表明というか、単純に先に言っておこうと思ったんです。


ー それから、“Automatic Punk”はベースがかっこいいですね。トレブルを効かしている臨場感が印象的でした。

山中:作っている時は、ベースをそんなに目立たせるつもりはなかったんです。


ー 確かに『Trash』の取材時も、「バンドの中でベース音を出し過ぎると良くないと思っている」と語ってくれましたが、この曲ではしっかり際立ってますよね。

山中:少しポリリズム(一定の拍をとらない技法)っぽく弾いているんです。元々そういうのが好きなんですが、このバンドではもっとストレートにやろうと思っていたんです。でも結局好きなことやってるなって(笑)。ただこの曲はギターもシンプルなので、全体の狙いとして結果的にこういう仕上がりになっていると思います。

志磨:サビのコーラスもハルくん(山中)がやっているので、この曲はハルくんが主役の曲です。


ー そうなんですね。ライブではコーラスをとっていなかったけど。

志磨:そう。前はやっていなかったんです。でもこのコーラス録りは盛り上がりました。リハーサルでほぼ合わしていなくて、そのまま本番という感じだったんです。それでハルくんが「じゃ、行ってくるわ!」って気合い十分で行ったのを僕らはミキサールームで見守っていたんですが、もう完璧な仕上がりで僕らも拍手喝采!

山中:ハードコアの先輩達のライブでの姿を頭に焼き付けてやりました。


ー ちなみにその先輩って?

山中:ECHOです。


ー ECHO、知っています。

山中:あ、知ってます!? 僕らは地元横浜横須賀で彼らのチルドレンです。


ー あと“誰も知らない”や“1954”の中間以降、演奏のみの部分が多いのが、バンドの醍醐味を感じました。

志磨:僕が黙っていると、丸山くんはギターソロを弾きたがらないので「これだけ弾いて」って我儘を言うんです。


ー そうなんですか?(笑)

丸山:弾けないんです。…ギターソロなんて、弾けないんです。

志磨:何で2回言うんや!(笑)


ー でもああいう風に演奏をフィーチャーするというのも、それぞれの力量があってこそ出来ることですし。

志磨:CDを再現するような感じで同じ演奏を繰り返すというのは、僕たちあまり馴染がないので、放っておくとどんどん変わっていくから誰か止めてっていう感じもあるかも。


ー でもその分ライブで色々なパターンのプレイを聴くことが出来るってことだよね。

志磨:そうそう。


ー それが本来のライブだよね。 往年のロックバンドはそうだしそれをカヴァーをする人達も何年のどの公演の時のプレイってこだわるわけじゃないですか。

志磨:そうそう、そう思います!!だから僕たちも、もっとライブをやるようになったらその時にしか観れないような色々なプレイをやってみたいです。


ー ひとつ気になったのは“1954”は、ツアー名にもなっているし、何か大きなキーワードがあるのかな?

志磨:なんか、びゅって出て来たんですよ、この〈1954〉っていう数字というか年号が。


ー 1954年って、サンレコードが行方不明の歌手の代わりにエルビスプレスリーを連れて来たとか、ビル・ヘイリーの“ロック・アラウンド・ザ・クロック”が1954年にリリースとか、色々あるから何かに引っ掛けているのかと思っていました。

志磨: “ロック・アラウンド・ザ・クロック” ね、1956年じゃないかっていう話もあるらしいんですよ。まだ未確定だけど。だからこの「1954」には意外と何もないんですよ。まぁツアータイトルにもしたのは、僕のひょうきんな一面です。

<一同爆笑>


ー 来年からツアーが始まるけど、ビジョンはもう見えていますか?

志磨:初めてドレスコーズとして長い時間のライブなので、曲をもっと作りたいです。追い込まれないと僕たちはやらないタイプなので、ツアーのギリギリになったら練習します(笑)でもライブはいつだって楽しい!


ー 最後にエムファン読者のみなさんに一言お願いします。

志磨:じゃあ代表して丸山くんお願いします。

丸山:志磨くんはみんなが喋っている時でも大人っぽいんです。でもこの人が一番ぶっ飛んでてこのアルバムを聴けばそれが分かる。ちゃんと聴けば聴く程分かる。だから聴いてください。これからも宜しくお願いします!


ー ありがとうございました。ツアーも頑張って下さい!


取材・文/まさやん



■ ドレスコーズ オフィシャルWeb
http://the.dresscod.es/

■ コロムビア内ドレスコーズ Web
http://columbia.jp/thedresscodes/


 

リリース情報

ドレスコーズ
1st Album「the dresscodes」

2012.12/05 Release

初回限定盤

COZP-735~6
 ¥3,360(税込)
thedresscodes_syokai.jpg



通常盤

COCP-37693 ¥2,940(税込)
thedresscodes_tj.jpg

M-01:Lolita
M-02: Trash
M-03:ベルエポックマン

M-04:ストレンジピクチャー
M-05;SUPER ENFANT TERRIBLE
M-06:Puritan Dub
M-07:Automatic Punk
M-08:リリー・アン

M-09:レモンツリー

M-10:誰も知らない
M-11:(This Is Not A)Sad Song
M-12:1954

LIVE情報

the dresscodes TOUR“1954”
2013年1月23日(水)京都磔磔
2013年1月24日(木)渋谷O-WEST
2013年1月27日(日)札幌cube garden
2013年2月02日(土)広島ナミキジャンクション
2013年2月03日(日)福岡DRUM Be-1
2013年2月09日(土)仙台darwin
2013年2月10日(日)新潟RIVERST
2013年2月16日(土)梅田QUATTRO
2013年2月17日(日)高松DIME
2013年2月22日(金)名古屋QUATTRO
2013年3月08日(金)日本青年館

TOWER RECORDS購入者対象イベント
2012年12月22日(土)TOWER RECORDS渋谷店B1F<CUTUP STUDIO>
18:00 START

HMV 購入者対象イベント
2013年1月6日(日)LIVE HOUSE FEVER
14:00 START

イベント
12/27(木)日本武道館「DECEMBER’S CHILDREN」
12/29(土)インデックス大阪「RADIO CRAZY」
12/31(月)「rockin’on presents COUNTDOWN JAPAN 12/13」
 

Interview

Live Report

Blog

ページの先頭へ

ホーム | プレスリリース | プライバシーポリシー | 広告に関しまして | お問い合わせ

  • facebook
  • ツイッター