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上間綾乃 x 五十嵐寿也プロデューサー スペシャル対談 Page3


ー “Interlude-躍動-”はインスト曲ですが、楽曲のイメージなどは五十嵐さんが提案されたりするのですか?

五十嵐:多少ありますが、今回サウンドプロデューサーを担当してくれた澤近泰輔さんがトータルに見てくれているので、そこがうまくいきました。それと以前から上間と一緒に演奏をやってくれている伊集タツヤさん(G)と、上間を含めみんなで色々考えました。例えば“Overture-命(いぬち)、生(ん)まりとてぃ-”は、ニライカナイのイメージをどこかに入れようとか “Interlude-躍動-” は並びとしてバランスがキツいところにワンクッションとして入れようとか。


ー 成る程。また、“やんどー沖縄(うちなー)”はインストアライヴで聴かせていただいた時にすごく楽しい曲だと思いました。来ていたお客さんもすごく盛り上がっていましたし。

上間:そうですね。伊集さんから曲が来た時に私も、すごく楽しい曲だなと思ったんです。「やんどー」という歌詞を入れている部分のメロディには、すぐこの言葉が思い浮かび「よし、この曲は“やんどー沖縄(うちなー)”だ!」と思って、歌詞を書きました。 “里よ”は歌言葉でしたが、この曲は標準語とうちなーぐちが入り混ざった話し言葉がいいんじゃないかと思い、こういう形にしました。


ー 途中、早口のうちなーぐちでの台詞も聞き所ですね。

上間:あの部分は先ほど話した婆ちゃんの言葉ではありませんが「ゆっくり歩きなさいよ」というニュアンスを入れてみました。


ー ホーンが入っているのがサウンド的には面白かったです。

五十嵐:この曲は切り口がハッキリしてるじゃないですか。だから割とスムーズに入ったよね。

上間:このアレンジ、俗に言うニュー民謡と呼ばれるアレンジで、こういう風に管楽器が入っているものは他にもあるんです。だから私や伊集さんの中では懐かしい感じがありながらも、やはりニューサウンドだと思います。ポップで楽しくて今にも踊り出しそうだけど、あの間奏にはとても哀愁を感じるんです。


ー 哀愁ですか?

上間:頑張ってきて頑張ってきて、この先に進むために今も頑張って、いい汗を流している仲間みたいな。故郷を思う気持ちや人間ドラマを感じられて、すごく楽しいんだけど、実は私、泣きそうになるの。ジーンとしちゃって。でもレコーディングはすごく楽しかった!あの早口の台詞も1回で録れたし。

五十嵐:その場で生でやっている曲が今回は多いので、みんながひとつの塊になっていく感じがあったね。

上間:“ヒヤミカチ節”もせーの録りだったしね。

五十嵐:すごく大きなブースで、せーので録っているので上間のマイクにドラムがかぶってる。他の音もかぶっている。

上間:だから直しはきかない!(笑)この曲はライヴでいつもやっていたので、CD化を望む声もすごく多かったんです。でもあの感じはライヴでしか出せないと思っていたので今迄収録はしなかったんですが、せーので楽しみながらやったら雰囲気出せるんじゃないかと思いその雰囲気作りをしました。

IMG_02642.jpgー “明日ハ晴レカナ、曇リカナ”は武満徹さんの作品ですが、アルバムの中ではある意味異色でそれがかえって新鮮でした。

上間:私もすごく新鮮だった!“ゆらりゆらら”も優しい曲ですが、肩の力がフッと抜けるような曲が欲しいという話をしている中でこの曲が候補としてあがってきたんです。

五十嵐:この曲は先ほどお話した岡野が大分以前に提案してくれていた曲で昔、石川セリさんも歌われていましたが、上間にもすごく合っていますよね。なんて言うんだろう…すごくぽさーっと出来るというか(笑)

上間:ぽさーって!まぁぽさーっと歌ったけど。

<一同爆笑>

五十嵐:上間はMCとかもそうだけど、独特のユルユル感を持っているじゃないですか。だからその部分にすごくハマったなと思いました。

上間:まぁ力強く歌うような曲ではないので、沖縄の歩き慣れた畑の小さい道を散歩しているイメージかな。

五十嵐:鼻歌うたいながらね。

上間:そう。その気持ちのまま2番にいこうと思って間奏で鼻歌を歌ったんですが、それは消すと思っていたんです。というか、後で消してもらえばいいやという位の感じ。そしたら五十嵐さんが「これ、そのまま使おうよ。」と言ってくれて。でもそういうつもりで歌ってなかったから「五十嵐さん、大丈夫ですか?私、ちゃんと鼻歌うたっていましたか?」って。鼻歌をちゃんと歌うというのも変な話だけど(笑)。でも後で聴き直してみたらすごく楽しそうだったので良かったです。

五十嵐:ゆるーい感じがいいね。


ー アルバムの中で最も制作が難しかった楽曲はどれですか?

五十嵐:シングルカットされているけど、“ソランジュ”?うちなーぐちと標準語というのは、英語と日本語位違うというか、うちなーぐちの方が多分メロディーに対してのノリはいいんだろうね。

上間:うんうん。民謡でも標準語と入り交じった曲もありますが、それまで私が歌う時の基本的な言語はうちなーぐちだったので “ソランジュ”を最初に歌った時に、発音が自分の中でしっくりこなくて、聴き返してみると標準語の筈なのにうちなーぐちのアクセントが出ていたり。それで色々試したりアドバイスをもらったりしながらちょっと苦戦していたら五十嵐さんが「好きに歌っていいよ。」って言ってくれたんです。「構えないでもっと楽に歌ってみたら?」って。

五十嵐:それまで標準語でお手本のないものを彼女はほとんど歌ったことがないわけだから、そこをどう作り込んでいくかという経験値もなくて、確かにそれが大変そうでした。でも最初のレベルと最終レベルの差はかなり大きかった。最初から歌えるようにスタジオに入ってきて、その後あまり変わらない人は多いんです。でも上間の場合、最初手探りで来るけど最終到達地点は高い人だと思います。まぁ単に怠け者だということかもしれませんが(笑)。

上間:えー!!

<一同爆笑>

上間:最初に聴いた時に「すごい綺麗なメロディだな!これは私が歌わないと!!」と思って歌ってみるんだけれど、なかなかしっくりこない。自分の中の理想イメージはあるけど辿り着くまでは本当に大変でした。

五十嵐:僕が歌を録ったのは“ソランジュ”が最初だったよね。

上間:そうだ。

五十嵐:気心も知れてくれば、こうすればこうなるという部分も分かるけど最初だから僕も手探りでした。

上間:五十嵐さんとの初めての曲が “ソランジュ”で本当に良かったと思いました。出来ないとは思いたくなかったし、この曲は私の中で大きな課題でもありましたから。


 

リリース情報

上間綾乃 2nd Album
「ニライカナイ」

2013年9月4日発売
jkt20130814115040.jpg
日本コロムビア
COCP−38170 / ¥2,940

01. Overture-命(いぬち)、生(ん)まりとてぃ-
02. ソランジュ
03. 里(さとぅ)よ
04. ゆらりゆらら
05. Interlude-躍動-
06. ヒヤミカチ節 (民謡)
07. 新川(あらかわ)大漁節 (民謡)
08. やんどー沖縄(うちなー)
09. 明日ハ晴レカナ、曇リカナ
10. ニライカナイ
11. あなたのもとへ
12. あいうた

LIVE情報

上間綾乃 Concert Tour 2013 <ニライカナイ>


2013年11月28日(木) 
名古屋 THE BOTTOM LINE

【お問い合わせ】サンデーフォークプロモーション 052-320-9100

http://www.sundayfolk.com/
livlog/53a0572/


2013年12月05日(木) 
大阪 umeda AKASO

【お問い合わせ】夢番地 06-6341-3525

https://www.yumebanchi.jp/
sche/kansai.htm


2013年12月07日(土) 
東京 日本橋三井ホール

【お問い合わせ】ホットスタッフ・プロモーション 03-5720-9999

http://www.red-hot.ne.jp/live/
detail/18109


≪ファミリーマート先行≫
受付期間:8月6日(火)10:00~8月12日(月)23:59

受付URL
http://www.cnplayguide.com/au_fm/

■枚数制限 お1人様1公演につき4枚まで(最大3公演まで申込可)

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