一瞬、洋楽?それともバンド?と勘違いする人もいそうなユニークなアーティスト名とは裏腹に、デビュー前にもかかわらず問い合わせが相次いでいるという『あんた』は、現代版『悲しい色やね』と言いたくなるような全編大阪弁のアクの強いラブソング。
……と、デビュー前から不思議なインパクトを放つティーナ・カリーナだが、その素顔は、生まれ故郷の大阪で地道に、堅実に歩みを重ねてきた女性シンガーソングライターだ。
父親は関西二期会に所属するオペラ歌手で中学校の音楽教師、母親はピアノとエレクトーンの講師。特に英才教育を受けたりはしなかったようだが、中学高校と6年間にわたって吹奏楽部に所属と、音楽はつねに身近な存在。
一方、歌についてはカラオケで歌う程度だったものの、中学3年の頃、彼女の歌好きを見抜いた母親から「歌とか習わんでいいの?」と勧められたのを機に、音楽人生が本格的にスタートしたのだという。
「歌うのが好きというより、歌を聴いてもらって『いいね』と褒められるのが好きだったんです。だからカラオケでも、私が歌っているときに友だちが曲を選んだりお喋りをしたりしてると、すごくイヤでした(苦笑)。ただ、その頃はまだ歌手になりたいと強く思っていたわけじゃなかったので、自分から“歌を習う”という発想もなかった。なので母親に勧められたのがきっかけになりましたけど、習って良かったですね。音楽の幅がかなり広がったし、友人とオリジナル曲を作るようにもなったんです」
通っていた音楽スタジオの仲間とユニットを結成したのはハタチの頃。昼は百貨店でエビせんべい販売のバイト、夜は夜間大学に通いながら、ギタリストの友人とライブをしたり曲を作ったりするようになったのだという。
但し、この時の曲作りは「ライブをやるためには曲がなくちゃ」という物理的な必要性がモチベーション。それが変わってきたのは大学を卒業後、週1ペースで続けていたライブで、お客さんから「歌詞がいい」と褒められてからだ。
曲を作ってはライブを行い、「もっとたくさんの人に聴いてもらいたい」という気持ちが増すに従って、時には地元の音楽コンテストにも出場。入賞することもあった。それでも、期待するような“展開”はないまま、気がつけば25歳に……。
「ある日、おじいちゃんにいきなり『結婚せえへんのか?』って言われたんですよ。その時に、私はもうそういう歳なのか!って初めて自覚して。いつまでも21歳とか22歳の気持ちでいちゃダメだ、いつまでもだらだらとバイトをしてちゃダメだ、本気で将来を考えなきゃと思ったんです」
思い立ったが吉日、すぐにデモテープを50本用意し、有名どころの音楽事務所へ手当たり次第に送付。これがちょうど2011年の3月……そう、東日本大震災の直前だった。
「えらい時に送ったなあと思いました。私自身、送ったことを忘れそうになりましたもん。テレビで東北の映像を見ては、大丈夫かなあ……と思って。そうしたら5月に仙台の音楽事務所から連絡が来たんです。仙台といえば地震の被害が大変だったところの一つじゃないですか。びっくりして。で、『一度ライブをしに来てほしい、仙台に来られますか?』と言われて、すぐに行って、事務所のみなさんに初めてナマで歌を聴いてもらって。『じゃあ一緒にやりましょう』ということになったんです」
仙台の音楽事務所とは、MONKEY MAJIKやGReeeeNらを輩出したエドワード・エンターテインメント・グループ。聞けば、デモ音源を聞いた事務所のプロデューサーが彼女のまっすぐな歌声に惚れ込んだのだという。だがもちろん、ここでメデタシと安心するわけにはいかない。レコード会社が決まるまでは大阪でバイトを続けながら、曲作りの千本ノック。なかなか朗報が届かないことに不安を過ぎらせながらも、ギタリストの相方と徹夜をしつつ曲作りに励む毎日は、精神的にも肉体的にも、これまでのなかで一番キツかったそうだ。
「歌詞もだんだん書くことがなくなってきて、『夢を目指してがんばるぞ~!』みたいなことばかり書いてました(苦笑)」
そして今年3月。ついにレコード会社が決まり、仙台に拠点を移動。名刺代わりのファースト・ミニアルバム『ティーナ・カリーナ』も完成し、今やデビューを待つばかりとなったわけだ。
そんな彼女からまもなく届けられるセルフタイトルのファースト・ミニアルバム『ティーナ・カリーナ』。この作品が完成するまでには、先に述べた千本ノックのような曲作り期間があったわけだが、その経験は彼女をアーティストとしてグンと成長させたようだ。
「メジャーでやるというのは売れる曲を作ることだと思い込んで、もっとポップに、もっとキャッチーにということしか考えられなくなった時期があるんです。そういう曲を作っては事務所の人に聴いてもらって。ところが仙台に引っ越して、アルバムに入れる曲を具体的に選び始めると、スタッフの方々が選ぶのが、アマチュア時代に作った曲だったり、肩の力を抜いて自然に作った曲だったりしたんですね。ああ、やっぱり自分たちらしい曲が必要とされるものなんだと、改めて確認しました」
デビューが決まってからCM曲として書き下ろし、彼女自身の“始まり”ともリンクする『輝いて』や、大阪時代から慣れ親しんできた切ないラブソングの『帰り道』『あんた』、東日本大震災に衝撃を受け、心救われる歌をと書いた『むすんで ひらいて』など全7曲。「一人でも多くのひとに聴いてほしい」という希望の向こうには、「聴いてくれる人に『私の人生の転機にはティーナ・カリーナの歌があった』と言ってもらえるシンガーになりたい」という大きな夢もある。ティーナ・カリーナ、ただいま26歳。仙台発、浪花娘の熱いアーティスト人生が幕を開けた。
■ ティーナ・カリーナ オフィシャルホームページ
http://www.tiinakariina.net/
■ 「あんた」試聴
http://youtu.be/3kiNgp8tv28
■ 「あんた」歌詞
http://www.uta-net.com/song/
133851/
9/9(日) ららぽーと甲子園にてフリーライブ決定!
「デビューミニアルバム『ティーナ・カリーナ』発売直前記念イベント(入場フリー)」
時間:12:30~
会場:ららぽーと甲子園 1F パークウォークコート
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