レッド・ツェッペリンが行った一夜限りの再結成ライヴ『祭典の日(奇跡のライヴ)』のCD、CD&映像、デジタルアイテムが11月21日に発売されることを記念致して、日本でも10月17日(水)、18日(木)の2日間、全国49館にて行われる全世界同時のプレミア上映が決定。
それに先駆けて、日本ではさらに超貴重な先行プレミア試写会ならびにオリジナル・メンバーであり伝説のギタリスト、ジミー・ペイジを迎えた記者会見が本日10月16日(水)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた。また、今回の記者会見ではジミー・ペイジの発案で、一般のファンもご招待する内容となった。
試写会終了後、ペイジ氏は大きな拍手に迎えられ"グッド・タイムズ・バッド・タイムズ"にのせ登場。
「映画は楽しんでもらえた?」という質問に、会場からは大きな歓声と拍手が沸き起こり、ペイジ氏も嬉しそうな笑顔を見せた。
<以下、記者会見より>
Q:2007年12月10日、奇跡のライブがスタートする瞬間に考えたことを教えてください。
ペイジ:その時、自分も含めバンドメンバー全員が頭によぎったのは、良い意味で皆さんにショックを与えたい。SHOWが終わった時に観てくれているみんなの中でショックが起こるようなパフォーマンスにするという想いでした。
Q:そのライブから5年の歳月を経て、この映画も含め『祭典の日(奇跡のライヴ)』が商品化されることについて。
ペイジ:こういう形で観ていただけることになったことは、ほっとしているという気持ちと共にやはり嬉しいです。バンド全員の想いが一致して出せることになったわけですから。…というのは、一回しかなかったこのコンサートは、ウォーム・アップ・ギグもやっていませんし、その後にコンサートをやったわけでもない。でも自分達にとってはすごく良いコンサートが出来たし、素晴らしい瞬間が数多くその中には止められているので、それが何年か経って、やっと自分達の中でも昇華されてきたというか客観的に、もう一度それを観た時に、リリースしていいなと思える時期が来たので、リリースする運びになり、とても嬉しく思っています。
Q:今回の映像では新しいギターも結構使用されていましたが、(最近は)昔のフィーリングを思い出すために過去に使った機材などを出して来たりはしたのでしょうか。
ペイジ:もし「明日弾け」と言われても、多分自分は1969年に手にしたレスポールを引っ張り出してきて弾いていると思う。なかなかギタリストで、そこまで古いものを使い続けている人もいないと思いますが、自分はそういうタイプだし、色々な曲を弾いてきたギターなので古いのを使うと思うよ。
Q:今回リリースされる『祭典の日 (奇跡のライヴ)』にはBlu-rayオーディオも入っていますが、今後レッド・ツェッペリンの旧作カタログをBlu-rayオーディオでリリースしたいという希望はありますか?
ペイジ:レッド・ツェッペリンに関しては、出来る限り最高のクオリティでリリースしたいという気持ちが昔からあります。現在考えうる限りでの最高はBlu-rayオーディオだと思うので、出したいと思っています。真面目な話、MP3ではレッド・ツェッペリン本来の音のダイナミズムや、自分達が意図した音というのは絶対に聴けないと思う。自分は最高の状態で聴ける形でリリースしたいと、機会があるごとに思っています。
Q:今回のパフォーマンス16曲を全てパッケージに収録するにあたり、メンバー同士でのミーティングなどはありましたか?また、それはスムーズにいったのでしょうか?
ペイジ:その質問に答える前に、そもそもこのセットリストがどうやって作られたかというところから話した方がいいと思う。このセットリストはリハーサル中に自分達で決めたんだけど、レッド・ツェッペリンのキャリアのレトロスペクティブ全て懐古して網羅するようなセットリストにしたかった。
本当に曲の中には沢山のハイライトがあって、自分達の一番良い色が皆さんにも届けることが出来たし、聴覚的に最高の画をお見せしたかった。そういうことを考えて今回この選曲でステージを作っていきました。
リハーサル中は勿論お客さんがいないので自分達が選んだセットリストに対してのフィードバックはないけど、本番で非常に素晴らしいフィードバックが皆さんから返ってきたので、メンバー4人の中ではどの一曲も外すことは考えられなかった。そのため、今回の16曲全てを収録することは、スムーズに決まったよ。実はもっとやりたかったというのが本音だけどね(笑)。
Q:この『祭典の日(奇跡のライヴ)』の中であえて一曲、レッド・ツェッペリンを知らない世代に伝えるためにラジオでON AIRしたいと思う曲を教えてください。(ラジオディレクターよりの質問)
ペイジ:非常に難しいね(笑)。さっきの質問で答えた通り、今回は、ダイナミックであり爆発的瞬間や静かでテンダーな瞬間など、色々なものを考えてのセットリストなので、すごく難しいんだけどひとつヒントを与えるとしたら「“Kashmir”よかったね。とか“For Your Life”もよかったね、“Ramble On”も良かったかもしれない。」結局選びきれないから逆にラジオディレクターであるあなたが、好きなものを選んで欲しい。
また、一般のお客さんからの質問もあり、広島からやってきたファンの方は、徹夜して息子さんと作ったという、金箔貼りのバックをペイジ氏にプレゼントしたいという熱狂ぶりを語るあまりに、ペイジ氏に「で、質問は?」と促される一幕も。
しかし、以前、レッド・ツェッペリンはひとりでも欠けたら解散という発言があり(1980年 Dr ジョン・ボーナム死去)、そこからの再結成について質問されると、
「実際、ジョン・ボーナムが亡くなった後、レッド・ツェッペリンは解散したし、その後長い年月が経って、今回はジェイソン・ボーナム(ジョン・ボーナムの息子)が入って…ジェイソン素晴らしくなかったですか?彼のインスピレーションを受けたプレイに自分たちもすごく触発された部分もあったし、あの素晴らしいコンサートをやった後で、確かに自分たちの中で今後別の形でバンドをやっていくことがあるのかもしれないということが頭によぎらなかったといったら嘘になります。でもその時はそうならずに今に至っているわけですから、それはそれでいいんじゃないかな。」と、真剣な表情で答えた。
また、大きな花束を持参した女性ファンから、今回のプレミアショーをロンドン、ニューヨーク、ベルリンの三都市の他に東京を最後に選んでくれたことについて聞かれると、
「日本とレッド・ツェッペリンの関係で言えば1970年、71年に来日し、その時、自分も日本に来れたことを嬉しく思っていたことを覚えています。それまで日本の文化のことは書物で読んでいてすごく興味があったので、日本の皆さんの前で演奏できたことが自分にも影響を与えました。そのため、リリースなどがあり来日出来る機会があれば、必ず日本に来たいという意思を持っているので、今回もこうして日本に来ました。」と笑顔で答えた。
また、以前のレッド・ツェッペリンの映画の中でジミーが山に登るシーンがあり、お客さんから山登りのアドバイスを質問されると、実際映画では何度も繰り返し山に登って撮影したことを明かし、「山に登るなら1回がいいよ。もしくは撮影スタッフとは登らないこと」と、ジョークで会場を湧かし、このプレミア試写会は幕を閉じた。
『祭典の日(奇跡のライヴ)』
レッド・ツェッペリンが2007年12月10日にロンドン、O2(オーツー)アリーナで27年ぶりにおこなった奇跡的な一夜限りのコンサートの模様を収めたもので、このコンサートには全世界から2,000万人がチケットに応募し、幸運にもチケットを手に入れたわずか18,000人だけが見る事ができた、まさに超貴重なプレミアム・コンサートとなり、その素晴らしいライヴ・パフォーマンスの模様は現在も多くの人に語り継がれている。
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