2012/11/23　＠心斎橋MUSE

11月23日の大阪･心斎橋MUSE HALL、男女ボーカル「唄合戦」ユニットの蜜が東名阪ツアー『～eAt me! Tour 2012～“召しませコンサート”｢見逃すべからず見届けてっ❤」』で、地元･大阪にて凱旋公演を行った。

ファーストアルバム『eAt ｍe!』をリリースしたばかりの彼ら。久々の地元でのライブとあって、ソールドアウトとなった会場には老若男女問わずたくさんのファンが集まった。木村ウニ、橋詰遼の2人が温かい拍手で迎えられ、1stシングル「初恋かぷせる」でライブスタート。目の前に集まった大勢の観客を見て、“ようこそ、召しませコンサートへ♪　お待ちしておりました～”とオーディエンスに感謝の言葉を伝えると、そこから次々に「蜜ワールド」に誘い込む楽曲を披露していった。

シンプルな照明に溶け込むように橋詰の高域ながら滑らかさを持った歌声がスルスルと身体に染みていく。一方の木村は少年を思わせるような儚さと芯を突く強さを併せ持った歌声でオーディエンスを引き込んだと思いきや、大人の渋さや円熟さをまとった歌声を聴かせるなど、ポップからダンスチューン、昭和歌謡にブルースとバラエティーに富んだ楽曲に合わせて彩色豊かなボーカルスタイルを次々に披露していく。木村と橋詰、2人のかわるがわるのメインボーカルは他のユニットにはない世界観を味わわせてくれる。そして、橋詰が奏でる繊細ながらも剛柔なギターは自身のボーカルはもちろん、木村の個性をより強固なものに昇華していく。互いの信頼あってこそ成しえるステージングは時間が進むにつれてより力強く観客の心を掴んでいった。
　
MCでは地元とあって、関西弁のノリツッコミを交えて（さらに橋詰をイジリまくって）終始リラックスした様子で観客の心を掴む。それほどに蜜の2人はこの日のステージを楽しみにしていたのが感じ取れる。“今日まで生きのびてくれてありがとう！ どうか明日も生きてください！”なんて木村が叫ぶほどだ。彼女のテンションは天井知らずに上がり続け、突然モノマネを始めたと思えば、曲中に観客を巻き込んでのダンスやラップ、ヒップホップ特有の掛け合いなど、隣でギターを弾く橋詰が思わずたじろぐほどだ。
　
今回のステージでは2ndシングル「パープルスカイ」やアルバムの楽曲はもちろん、同時に配信限定でリリースされたカバーアルバム「蜜狩り」からも楽曲を披露してくれた。宇多田ヒカル「traveling」をはじめ、矢野顕子「ひとつだけ」や鈴木慶一とムーンライダーズ「髭と口紅とバルコニー」など、原曲の香りは残しつつも見事な“蜜味”に仕上げステージに華を咲かした。さらに、アルバム完成後に制作したという新曲「第一レース」も今ツアーでお披露目。“いま”の2人の姿もしっかりとオーディエンスへ届け、本編が終了。さらに、アンコールでもオリジナルはもちろん新曲「キラキラ」やカバー曲などで楽しませ、ステージは全17曲、あっという間に時間は過ぎていった。

ツアーは残すところ、12/5(水)@渋谷duo MUSIC EXCHANGEで行われる東京公演のみ。2人きりで作り上げる“蜜”独特の世界観を見逃すべからず見届けてほしい。


カメラマン：「井上嘉和」
ライター：黒田 奈保子


■ 配信限定カヴァーアルバム
「蜜狩り」
1500円

収録曲
01. HONEY（L’Arc-en-Ciel）
02. バウムクーヘン（フジファブリック）
03. 心もよう（井上陽水）
04. traveling（宇多田ヒカル）
05. あざやかな場面（岩崎宏美）
06. Give me a Shake（MAX）
07. ひとつだけ（矢野顕子）
08. 私がオバさんになっても（森高千里）
09. 髭と口紅とバルコニー（鈴木慶一とムーンライダーズ）
10. トンネルぬけて（BO GUMBOS）


■ 蜜オフィシャルHP
http://www.mitsu71.com